【オンラインレッスンコラム:ギター】アイデアを形にしてみよう
今回は、研ぎ澄まされた美しい旋律で 聴く人の心を癒す7弦ジャズギタリスト、佐々木慧先生による"ジャズギターアドリブ"シリーズの第三弾です☺️
アドリブのための様々なアイデアやアプローチの仕方をギュギュッと凝縮してくださっています!!感動的に濃い〜内容となっておりますので、ジャズギタリストを目指す方やジャズギターに興味のある方、皆様必見です✨✨
第一弾の記事はこちら↓↓
「アドリブの弾き方」
第二弾の記事はこちら↓↓
「スケールを活用してアドリブしてみよう」
理論書を読んで頭では理解出来ても、なかなか演奏に落とし込めない...という方、
動画でも大変分かりやすく解説してくださっているので、是非ご覧下さい。
それでは、お楽しみ下さい♬♬
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いつもお読みくださりありがとうございます。
ギター楽しんでいますか?
前回まででアルペジオとスケールについて解説しました。
これで各コードについてどんな音を使えるかについてはご理解いただけたと思います。
スッとは出てこなくても考える癖をつけることで早くなっていきますので繰り返し同じ曲で練習してみてください。
さて今回は今までの知識をもとに具体的なフレーズを作るアイデアを紹介していきたいと思います。
動画のタイムラインに合わせる形で補足説明を入れていきますので動画と合わせてご覧ください。
①00:40 テーマ引用
テーマ引用とは別の曲のメロディを引用してアドリブに使うユーモラスな手法です。
キーが違う場合には移調します。
基本的にはコード進行が同じ曲で使いますが違うコード進行の時にも動画のように工夫して使うことはあります。
ちなみに「Don't Get Around Much Any More」のコード進行はC→A7です。
②02:00 Ⅱ-Ⅴ分割とアッパーストラクチャートライアド
Ⅱ-Ⅴ分割して出てきたm7コードのことを「related Ⅱm」と呼びドリアンも使用できます。
本来今回のケースのEm7ではフリジアンかドリアンを使うのですが動画のフレーズではGトライアドのローワーストラクチャーコードを弾いていますね。
続いてアッパーストラクチャートライアドなのですがかなり難しい手法です。
Key=CのA7でcom.dimの場合と限定してもC,Cm,E♭,E♭m,G♭,G♭mなどたくさんありますしHMP5の場合、オルタードの場合など挙げれば無数のコードが出てきます。
練習の中で「これいいな!」と思えるものだけピックアップして自分の引き出しに足して行きましょう。
③05:10 タイムフィール
今回ダブルタイムという同じテンポの中で倍のテンポを感じながら弾く手法を紹介しました。
実際に伴奏が倍のテンポになっているわけではないので注意してください。
ただしバラードのアドリブソロではバンド全体が倍のテンポにすることもよくあります。
その際には小節数も倍になり曲の長さは同じです。
またアレンジや作曲の技法でハーフタイムと呼ばれる手法もありテンポが半分になります。
「After You've Gone」のエンディングでは定番のアレンジになっていますね!
④07:20 ディレイドリゾルブ
遅延解決といわれる手法で挟み込んでフレージングします。
Joe Passがよく用いたこれだけでビバップぽくなる特効薬のような手法です。
ただ機械的になりがちなのであまり多用していると「歌」としての音楽から遠ざかってしまいがちです。
用法容量を守って正しくお使いください!
またコードボイシングの技法で半音と全音で挟み込んで半音の方をクロマチック、全音をディミニッシュコードでボイシングします。
コードソロなどで使える手法でこれも ディレイドリゾルブの一種です。
⑤08:41 ペダルとクリシェ
有名な作曲、アレンジ技法です。
クリシェは1度や5度の内声、ベース音を半音、もしくは全音ずつ動かす手法。
ペダルは保持音、主に1度や5度のベース音を鳴らし続ける手法です。
本来のアドリブとはその場で作曲していることに他ならないのですからこういった作曲やアレンジの技法に則って弾いてみるのも良いと思います。
⑥09:40 モチーフの反復
思いついた音形を反復したり平行移動したり、コード進行に合わせて咄嗟に変えるのは音楽的な反射神経を必要とします。
またギターの指板の理解も高くないと難しいと思います。
日々の練習の中でこういうことができた時にステップアップを感じられるはずです。
動画内で引用している「Be My Love」は本来key=Gでコード進行は
G | | F♯m7♭5|B7|
でCに移調しています。
⑦11:10 ブルースアプローチ
Cマイナーペンタトニックを使用しますがbluseを理論的に解説することは不可能です。
少なくとも僕には…。
なんでコードCメジャーでE♭の音がサウンドするの?
経験則で自分なりにまとめていく他ないでしょう。
ただD7やE♭dimでマイナーペンタトニックがサウンドするのは理屈で説明できます。
いずれ機会があれば!
今回はマイナーペンタについて言及していますがブルーノートスケールも併用します。
⑧13:12 Ⅱ-Ⅴ分割と裏コード
動画ではマイナードミナントをⅡ-Ⅴ分割した際にm7♭5に分割することがよくあるということを説明しています。
その際スケールはロクリアンかオルタードドリアンになります。
裏コードについてですがそのドミナントコードの減5度上(増4度下)のドミナントコードです。
解決するコードの半音上の7thコードと覚えていいでしょう。
使用スケールは前回説明したようにリディアン♭7です。
⑨15:48 タイムフィール
こういう倍テンフレーズははったりが利くので偶に使うくらいがちょうど良いです。
Fmのところでは変形ペダルも少し使用しています。
⑩16:25 クロマチックとディミニッシュ
クロマチックはJAZZで最初に身に付けるべき基本的なアプローチです。
コードトーンとクロマチックアプローチだけで簡単なJAZZフレーズは作れるはずです。
小難しいことばっかりやっていても聴いている人の頭に「?」と浮かぶだけになりがち。
心にいつもコードトーンを。
⑪17:55 コードソロ
コードソロの練習法ですがメロディをボイシングすることが一番の近道です。
各コードすべての音をトップノートに1~3種類のボイシングを覚えている必要があります。
とても難しく思えるかもしれませんが異名同音がたくさんあるので実は覚えるべきコードフォームはそれほど多くはないかもしれません。
機会があればコードボイシングについて解説したいと思います。
⑫20:01 歌うこと
本当に伝えたいことはここに集約されていて今までのアイデアはあくまでも歌うための手段でしかありません。
歌のピッチが多少ずれていたとしても恥ずかしくありません。
思ってもいないことを弾く方がよっぽど恥ずかしいと僕は思ってしまいます。
とても長い文章最後までお読みくださりありがとうございます。
さてとりあえず初級、中級、上級と三回にわたってお届けしました。
不定期ではありますが皆さんに伝えたいことがまだまだありますのでレッスンと並行してまたお読みいただければ幸いです。
それではまた!
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佐々木慧先生のレッスンはこちら↓↓
https://routejazz.com/teacher/sasaki/
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