【オンラインレッスンコラム:ギター】スケールを活用してアドリブしてみよう
今回は、研ぎ澄まされた美しい旋律で 聴く人の心を癒す7弦ジャズギタリスト、佐々木慧先生による"ジャズギターアドリブ"シリーズの第二弾です☺️
第一弾の記事はこちら↓↓
理論書を読んで頭では理解出来ても、なかなか演奏に落とし込めない...という方、
動画でも大変分かりやすく解説してくださっているので、是非ご覧下さい。
それでは、お楽しみ下さい♬♬
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第2回「スケールを活用してアドリブしてみよう」
こんにちは。前回のアルペジオの練習は役立っていますか。簡単なアドリブラインはアルペジオだけで作れるということご理解いただけたなら良いのですが。今回はアルペジオを発展させてスケール的なアプローチに挑戦してみましょう。
では前回に引き続き「ALL OF ME」を例にします。
スケールの基礎知識。
スケールとは各コードに対して使用できる音の列のことで各コードトーン(CT)にテンションノート(TN)かアヴォイドノート(Av)を挟んだものになります。
テンションノートは名の通りコードに多少の緊張感をあたえます。
上手につかえばコードを装飾してくれます。
アヴォイドノートは除外すべき音。(使えないわけではない)
コードのキャラクターを阻害する音で使用する際には注意を必要とします。
コードトーンと半音でぶつかります。
まずは前回も説明したコード進行。
|C6 | |E7 | |
|A7 | |Dm7| |
|E7 | |Am7| |
|D7 | |Dm7|G7 |
|C6 | |E7 | |
|A7 | |Dm7| |
|FM7|Fm6|Em7|A7 |
|Dm7♭5|G7 |C6 | |
次にコードを分類します。
①.ダイアトニックコード(G7は除く)
C,Dm7,Em7,FM7,Am7,
②.ドミナントコード
D7,E7,G7,A7
③.サブドミナントマイナー
Fm6,Dm7♭5
各コードに対する使用可能なスケールを把握しましょう。
大事なことなのですが音名で覚えるのではなく必ず数字で覚えてください。
①のダイアトニックコードはすべてメジャースケールいわゆるドレミファソラシドを展開したものになります
C イオニアンの場合コードトーン(CT)の1,3,5,6(7)テンションノート(TN)9、アヴォイドノート(Av)4になります。
以下列挙します
Dm7 ドリアン CT 1,♭3,5,♭7 TN 9,11 Av 6
Em7 フリジアン CT 1,♭3,5,♭7 TN 11 Av ♭2,♭6
FM7 リディアン CT 1,3,5,7(6) TN 9,♯11 Av なし
Am7 エオリアン CT 1,♭3,5,♭7 TN 9 Av ♭6
②そして最難関のドミナントコードです。
ドミナントコードは3種類に分類されています。
1つはダイアトニックのメジャーコードに進行するドミナントコード、KeyCではG7とC7がそれにあたります。(G7はCへ、C7はFへ進行する)
便宜上メジャードミナントと呼びます。
このメジャードミナントは『解決している場合』すべてのドミナントスケールが使用できます。
※解決とはG7の場合Cとその代理コードEm7、Am7に進行することです。
(C7やE7、A7といった同じ幹音を持つコードに進行しても解決したととらえても良いと思う)
全てのドミナントスケールとは以下のことです。
1.ミクソリディアン
CT 1.3.5.♭7 TN 9.13 Av 4
2.リディアン♭7
CT 1.3.5.♭7 TN 9.♯11.13 Avなし
3.HMP5(ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウの略)
CT 1.3.5.♭7 TN ♭9.♭13 Av 4
4.MMP5(メロディックマイナーパーフェクト5thビロウの略)
CT 1.3.5.♭7 TN 9.♭13 Av 4
5.com.dim(コンビネーションオブディミニッシュの略コンディミとも)
CT 1.3.5.♭7 TN ♭9.♯9.♯11.13 Av なし
6.オルタード
CT 1.3.♭5.♭7 TN ♭9.♯9.♭13 Av なし
7.ホールトーン
CT 1.3.♯5.♭7 TN 9.♯11 Av なし
※解決しないメジャードミナントでは上記のうちミクソリディアン、リディアン♭7、ホールトーンが使用できます。
2つ目は(本来は!)マイナーコードに進行するドミナントコード。
マイナードミナントと呼ばれることもあります。
「ALL OF ME」ではE7とA7がそれにあたります。
注意してもらいたいのですがE7がA7に進行しているからと言ってメジャーコードに進行するドミナントではない点です。
後ろのコードは前のコードに基本的には影響を与えないのです。
これらのマイナードミナントではHMP5、MMP5、com,dim、オルタード、稀にホールトーンも使われます。
3つ目はリディアンドミナントコード(こう呼ばれることはまずありません)
Ⅱ7、Ⅳ7とすべてのsubⅤ7(いわゆる裏コードG7の裏はD♭7)のことでリディアン♭7が使用できます。
「ALL OF ME」ではD7がこれに当たりますが、Ⅱ7は少し特殊でホールトーンやミクソリディアンも使われます。
③最後にサブドミナントマイナーコード
Ⅳをマイナー化したコードでFmとDm7♭5がそれにあたります。
Fmはm7かm6かで使用されるスケールは当然変わりますがメロディに♭7が出てこない場合はm6だと思っていていいでしょう。
Fm6ではメロディックマイナー
CT 1.♭3.5.6.(7) TN 9.11 Av なし
Fm7ではドリアン
CT 1.♭3.5.♭7 TN 9.11 Av 6
Dm7♭5ではロクリアンかオルタードドリアンになります。
オルタードドリアンのほうが調性感が強いですがあえてロクリアンを選択することもできます。
ロクリアン
CT 1.♭3.♭5.♭7 TN 11.♭13 Av♭2
オルタードドリアン
CT 1.♭3.♭5.♭7 TN 9.11.♭13 Av なし
さてスケールの列挙だけで誌面がうまってしまいそうですのでスケールを利用したアドリブの考え方の動画をYoutubeにアップしておきますので上記のスケールをなんとなーく理解したうえで見ていただければ幸いです。
大切なことはコードのキャラクターを活かすスケール内の音を探すことです。スケールの音をただ並べた機械的な演奏は人の心は動かせないと思っています。
さて次回は「アイデアを形にしてみよう」をテーマにアドリブの手法を記事にしたいと考えています。
それではまた!
(第三弾に続く...!!)
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佐々木慧先生のレッスンはこちら↓↓
https://routejazz.com/teacher/sasaki/
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