【オンラインレッスンコラム:ボーカル】ジャズシンガーの為のボサノバの楽しみ方(2)
今回は ロンドンを舞台に活躍される 横井祐子先生が、
とても分かりやすく解説くださった 表題のシリーズ記事 第二弾です☺️
第一弾の記事はこちら↓↓
それでは、お楽しみ下さい♬♬
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【ジャズシンガーの為のボサノバの楽しみ方】
今回は第二段、 『ポルトガル語で歌う』。いよいよやって参りました!
第一弾『聴いて感じる』のグルーヴは感じて頂けましたでしょうか?
今回は体に入れたグルーヴを基盤に、ポルトガル語独自の言語のリズムに乗せて歌って行きましょう。
エラ·フィッツジェラルドやフランク·シナトラ等によりボサノバが歌われる様になったのは、1960年台半ば。英語で歌われることが多かったようですが、英語で歌うと言語独自のリズムやイントネーションが、ボサノバの醍醐味であるグルーヴにしっくりはまらず、多少の硬さが残るイメージがあります。ポルトガル語で歌うと、体に入れて頂いたグルーヴがまはり安いのを感じて頂けるかと思います。
また、英語の歌の伴奏とポルトガル語での歌の伴奏のリズムパターンは、英語の持つ言語のリズムに合うよう巧みに少し変換されて演奏される事もあります。
ポルトガル語で歌うのが初めての方は、下記のオススメの曲を参考にしてみて下さい。
- ソ·ダンソ·サンバ (Só Danço Samba - 参考音源) オススメです!
- オ·グランジ·アモー (O Grande Amor – 参考音源)バラードでゆっくり慣れる!
- トリステーザ (Tristeza – 参考音源) サンバの曲グルーヴにのる!
ポルトガル語の歌詞を見つけたら、例外はありますが、主に表記通り読むと大まかな部分は読めるかと思います。下記の最重要キーポイントを心に留めていただけると、発音がより上達し、歌のグルーヴが作り易くなるかと思います。
(こちらのポイントはブラジルでのポルトガル語発音を基準にしていますが、地域によって異なる発音をされます。)
<抑えておきたい発音キーポイント>
発音をカタカナ書きすると音が大きくなる傾向にありますが、ここではなるべく分かり易いよう少し工夫しながら記載させて頂いています。
🎵 子音:5つのキーポイント 🎵
例の単語は上記オススメ音源3曲の歌詞から主に引用しています。下記キーポイントと音源3曲から実際の発音を照らし合わせてみて下さい。
【 子音 + r / r + 母音 】
日本語の「ラ行」に似た音です。アメリカ英語のwater 等のt (「ラ行」と「ダ行」の間の様な音)にも似ています。
<例>
Tristeza (trish-te-za/トゥリシテーザ) 「トリステーザ 」引用
Chora (sho-ra/ショーラ) 「トリステーザ 」引用
Brasil (bra-ziu/ブラゼィ ゥ)
【 R - / - rr - / - r 】
単語頭の「R-」、単語の途中の「-rr-」、単語末の「-r」は、「ハ行」を喉で鳴らすように発音します。
<例>
Morrer (mo-he-h/モヘーヘ)「オ·グランジ·アモー」引用、 carro (ca-ho/カーホ)
Por favor (poh favoh/ポホ ファヴォーホ)、 cantar (can-tah/カンターハ) 「トリステーザ 」引用
【 - l / - l -】
語尾の「- l」や真ん中の「- l -」は、英語のLの様には発音せず、「う」に近い発音になります。
<例>
falso (fa-u-su/ファゥス) 「オ·グランジ·アモー」引用
voltar (vo-u-tar/ヴォゥターハ) 「トリステーザ 」引用
【 - m 】
単語の語尾が「m」で終わる場合は、日本語の「ん」に近い発音となります。
<例>
um homem (uno o-mein/ウン オ-メィン) 「オ·グランジ·アモー」引用
fim (fin/フィン) 「トリステーザ 」引用
【 d 】
例外が多々ある子音ですが、今回はよく歌詞に出てくる単語とオススメ音源に出てくる単語例をカバーします。
<例>
de ( ji/ジ)英語の[of]の意、 demais ( ji-mais/ジマイシ もしくはジマイス) 「ソ·ダンソ·サンバ」引用
<例外>
deste (des-chi/デ-スチ)や devolver (de-vou-veh/デヴォゥヴェ-ヘ)等
🎵 母音:2つのキーポイント 🎵
【 o / - o 】
単独の「O」(英語の冠詞theの意)や語尾に「-o」がくる場合は、「う」に近い「お」で発音して下さい。そうすると柔らかい音になります。
<例>
quero (ke-ru/ケール)、 novo (no-vu/ノーヴ) 「トリステーザ 」引用
do (du/ドゥ)「ソ·ダンソ·サンバ」引用
オススメ音源のタイトル、「オ·グランジ·アモー」も 「ウ・グラ-ンジ・アモーホ 」 の様に発音してみると、カタカナ読みに比べ、柔らかい音になっている事が聴き比べて頂けるかと思います。
【 ã /an /am 】
鼻から抜けた様な音で発音する鼻母音です。「アォ(ン)」という様な感じで喉を閉鎖し鼻に響かせて発音します。また、「ã」のニョロニョロはtil (チウ)と言います。
<例>
coração (co-ra-saon/コラサォン)「オ·グランジ·アモー」引用 、 amanhã (ama-nya/アマニャ-)
coraçãoはボサノバやサンバの曲でとてもよく見受けられる言葉です。
<例>
cantar (can-tah/カンターハ), samba(saamba/サーンバ)「ソ·ダンソ·サンバ」引用
<鼻母音にならない例外ケース>
amar (amah/アマーハ) 「オ·グランジ·アモー」引用 、 amigo (ami-gu/アミーゴゥ)等
上記のコツを得たら、下記カードに近い音を全てカタカナで振るより、なるべくネイティブの音をよく聞いて細かいニュアンスをそのまま真似て覚えて頂けるのが1番の方法です。
まずはこちらをガイドに、本場の歌を聞き込んで声に出してみて下さい。最初は時間がかかるかもしれませんが、ここが楽しくなって来る要ですので、一歩一歩ゆっくりしっかり体に入れて行きましょう。
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(第三弾へ続く...!!)
横井祐子先生のレッスンはこちら↓↓
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