【オンラインレッスンコラム:ボーカル】ジャズシンガーの為のボサノバの楽しみ方
今回は ロンドンを舞台に活躍される 横井祐子先生が、とても分かりやすく解説くださった シリーズ記事の第一弾です☺️
シンガーのみならず、楽器を演奏される方、またボサノバを聴くのは好きだけど、そもそもボサノバって? という方々にも大変興味深い内容ではないかと思います。
それでは、お楽しみ下さい♬♬
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【ジャズシンガーの為のボサノバの楽しみ方】
ジャズを歌う中で、ボサノバの名曲やジャズスタンダードのボサノバアレンジは、誰しも一度は通る道と言っても過言ではないでしょうか?私もこのルートでブラジル音楽の美しすぎる沼にハマったシンガーの一人です。
皆さんはジャズを歌う時とボサノバを歌う時、どの様に歌い分けていらっしゃいますか?
今回はまずはボサノバの聖地であるブラジル音楽の基礎知識を得るべく、第3回に渡り『聴いて感じる』、『ポルトガル語で歌う』そして『ブラジル音楽ならではのフレージング』についてお話しさせて頂き、よりボサノバを楽しく歌って頂くお手伝いをさせて頂けたら嬉しく思います。
まず、ボサノバへの入り口となる下記基礎情報を理解いただくと、よりボサノバ音楽を近く感じて頂けるかと思います。
- ボサノバのルーツはサンバ
- ボサノバを世界に広めた原点とも言われる、ジョアン・ジルベルトによる「シェガ·ジ·サウダージ」(1959年)のアルバム。
- 作曲家アントニオ・カルロス・ジョビン&作詞家ヴェニシウス・ヂ・モライスのゴールデンコンビによる数々の名曲に注目:参考音源 「ゲッツ/ジルベルト」(1964年)
まずは上記二枚の代表作を聴き込むと、その音楽の向こう側にある景色がより鮮明に見えてくるのではないかと思います。
聴く際は下記の2点に注意して、体でリズムを取りながら聞いて下さい。
<ベースドラムのスールド>
まずジャズにおいて、4/4拍子のスウィング曲では2番目と4番目の拍子でスウィングフィールを感じますが、ボサノバを含むラテン音楽では1番目と3番目の拍子でリズムを感じます。(*1)

この中でも3番目のビートはアクセントが入れられ、下記ビデオのように『トン ・ ドンー ・|トン ・ ドンー ・ 』と言うような感じでリズムを感じて下さい。
サンバ音楽を集う、ホーダ・ジ・サンバ(「サンバの輪)の意)でのセッションの模様から、バテリア(太鼓隊)のベースドラムとなるスールドという太鼓がこのように演奏しているのが伺えます。シンガー、パウリーニョ・ダ・ヴィオラの左隣の深いドラムがスールドです。私が初めてリオのホーダ・ジ・サンバへ行った時は、嬉しさとその美しさの余り涙が止まらなかったです。笑。
こちらのグルーヴ(*2)がボサノバの根底にも用いられています。特にボサノバでは、スールドは用いられずとも、ベースやギター等で1番目と3番目のビートに比重を置いて奏でられる事があります。
<クラーベリズム>
ボサノバ音楽は二小節で一つのくくりのグルーヴで成り立つ作りとなっています。まずは「ボサノバ・クラーベ3:2」(一小節目に3つのビート、二小節目に2つのビート)を手拍子などで、要となるシンコペーションを感じながら練習して下さい。慣れたら一小節目と二小節目をひっくり返した「2:3」も試してみて下さい。

デモンストレーションビデオはこちら。
曲のメロディーにより、いずれかがハマりやすかったり、曲の途中で変えながらグルーブを成り立たせます。
今回の内容をしっかり体に入れて頂けると、次回号の実際に歌う過程がよりスムーズに運ぶかと思います。
Happy singing!
<備考欄>
*1:ブラジル音楽では拍子記号は通常2/4拍子(一小節に四分音符が二つ)にて表記されますが、ジャズスタンダードの教本では主に4/4拍子での表記に統一される傾向にあります。
*2:グルーヴとは「ノリ」のように体で感じる感覚
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(第二弾へ続く!!)
横井祐子先生のレッスンはこちら↓↓
https://routejazz.com/teacher/yokoi/
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